11月24日 赤坂ACTシアター
中島みゆき 夜会 vol.17 2/2
中島みゆき『夜会』
それはコンサートでもない、かといってミュージカルとも言い難い、なんとも形容しがたい音楽劇。
上演中、演目にもよるが台詞らしい台詞は非常に少ない。
「歌詞」が台詞のような物だが、ミュージカルと違い「歌詞」と「楽曲」に合わせて芝居をする。それが「夜会」
19:30過ぎに地下鉄赤坂駅で友人と待ち合わせて、会場の赤坂ACTシアターへ。
いつも思うが、隣に赤坂BLITZがあるのにかかわらず、総座席数1,324席、そして広々とした舞台空間が収まっているのか気になってしまう。
俺自身、夜会を見るのは今回で3回目。
座席は2階。チケットが届いたときにS席で2階ねぇと思っていたが、色々と調べてみるとACTシアターの2階席は割と芝居を見やすいというではないですか。
実際に座ってみると、座席間の段差を大きく確保しているので、前に座っている人の頭が気にならないですね。でも舞台は上から俯瞰する感じ。
それより、オケピット丸見え。コレはコレでありかな。
また、ACTシアターは舞台上の些細な音でも客席への反響が非常に良く、たとえば扉を閉めるシーンでも扉の金具の閉まる音や、小道具を床に投げると、床にぶつかった音が客席まで鮮明に聞こえるぐらい。もちろんオケピットからの音も非常に良く響き渡る。そんな音の反響がよいのに緞帳やせり上がり舞台の動作音は一切客席へは聞こえてこないのが凄い。
周りを見回すとチケット代金が2万円ということ関係してるのかわからないけれど、お客様の年齢層は割と高め。コンサートが30代?40代が多いのに対して、夜会は40?60代のお客様が多いこと。らくらくホンをあちこちで見かけるのなんの。
上演開始は20:00。5分前に1ベルが鳴るがアナウンスがサプライズ。
今回の演目は再ゝ演となる2/2。
初演は1995年、夜会vol.7 再演は1997年、夜会vol.9ということで、vol.9から実に14年ぶりの上演だが、基本的なストーリーは変わっていないが使用楽曲や演出が変わっており、今回のために書き下ろした曲もいくつかある。
第1幕65分、休憩を挟んで第2幕+第3幕の65分。上演終了時刻は22時30分。
演劇としては異例の遅さだが、渋谷時代の夜会に戻ったといえばそれまでとも。
1幕あたり65分。舞台演出しかり、タイミングしかり緻密に計算し尽くされた非常に濃い時間で、観客を舞台へと引き込む力は凄かった。
ストーリーはネタバレになるので書かないけれど、全体を通じてシナリオを加筆修正、そして演出が色々と変わってます。
1幕最後の『帰郷群』と2幕の『幸せになりなさい』の力強さには圧巻。
パンフレットには「みゆきの歌に手が届く」と書いてあるが、まさにその言葉通りでした。