等々力操車場と梅ヶ丘駅を結ぶ東急バス[等13]。
世田谷区の南北方向の移動利便性の向上を計るための認証実験として2015年8月3日から2016年1月29日までの平日のみ運行される全長約6.5km路線。
[等11]等々力操車場-祖師ヶ谷大蔵駅と[渋82]渋谷駅-等々力と重複する区間もあるが、
設定運行時間から鑑みるに南北方向の移動便利性の他に、小田急線沿線から世田谷区役所へのアクセス向上という目的もあるように見受けられる。
8月某日、15時59分。等々力操車場停留所。
停留所の表側には、[等13]の記載が無いが・・・
裏側に書いてあった。
記載スペースに限りがあるから致し方ない部分もあるが、その中で複数路線の情報提供方法は各社悩ませる部分だろう。
ここから乗車したのは自分のみ。
バスは等々力操車場停留所を出発し、等々力駅前交差点を右折して等々力停留所に到着、一気に乗客が10名ほど乗車してきた。
この先駒沢まで[渋82]と、さらにその先の世田谷駅前までは[等11]と経路が重複するため、それらの路線の補完的な役割として使われているのだろう。また見慣れない系統・行先故に目的の停留所に訪ねる乗客も見受けられた。
玉川警察署、園芸高校前、深沢坂上と各停留所に停車しては乗客の乗降があり、深沢4丁目停留所でも乗務員に経由地を尋ねる乗客。
この辺りでは路線バスが生活の一部として組み込まれているのだろうか。
深沢4丁目停留所から先は、駒沢公園通りを北上していく。
右手に駒沢公園をのぞみ、[等13]とすれ違う。
前方にに首都高3号渋谷線が見えてくると駒沢である。
駒沢交差点をこの路線は交差点を直進し、さらに北上する。なおここまで平行してきた[渋82]は国道246号線へ右折して渋谷駅へと向かう。
向天神橋停留所で親子連れ3名が乗車、どうやらこの路線を知っており、利用し慣れている雰囲気がした。
弦巻1丁目交差点を過ぎると、バス同士のすれ違いがやっとという道幅へ。ここで等々力操車場行の[等13]とすれ違った。
前方に世田谷通りが見えてきた。[等11]は左折して祖師ヶ谷大蔵駅方面へと向かうが、[等13]は世田谷駅前交差点を直進。
東急世田谷線の世田谷駅前の踏切を渡って拡幅工事が完成したばかり区間を走り、世田谷三丁目交差点を右折する。
この世田谷駅前交差点から世田谷三丁目交差点までの区間は、都市計画道路補助第154号線の工事区間で平成27年3月14日に完成。以前は暫定的なのか道幅の狭い生活道路であったが、歩道付きの片側一車線の道路へと変貌を遂げた。
都市計画道路補助第154号線の完成が、[等13]の運行開始のきっかけでもある。
なお東急世田谷線世田谷駅も、この拡幅工事にあわせて三軒茶屋方面に数m移設された。
世田谷三丁目交差点を右折したバスは坂道を上り、世田谷税務署前交差点を左折して世田谷区民会館に到着、ここで4名が下車。うち3名は等々力から乗車してきた用務客だった。
僅かばかりの乗客となったバスはすぐに発車、
世田谷区役所前交差点を左折し坂道を下る。
再び都市計画道路補助第154号線を北上。
程なくこの路線単独停留所である国士舘大学前停留所に到着。
国士舘大学前停留所では向天神橋停留所で乗車した親子連れが下車。
新規運行区間での乗降がある事は、この[等13]がある程度認知されている証拠だろう。
梅ヶ丘駅までの距離は約800m、住宅街を走る路線バスの停留所間距離としては長い方だが途中停留所は設定されていない。
大人の事情を垣間見た感じだった。
小田急線の高架下を抜け赤堤通りへと右折、梅丘駅北口前交差点を右折すると終点の梅ヶ丘駅。
小田急バスの降車停留所を間借りした等々力操車場行きのバス乗り場には、折り返し便を待つ乗客が10名弱並んでいた。
平日の日中かつ運行間隔も約40分に1本という路線ではあるが、正直運行開始から数週間でここまで認識されていることに驚きを隠せないでいた。
そして待っていた乗客を乗せた[等13]は、等々力操車場へ発車していった。
ちなみに[等13]の梅ヶ丘駅停留所と梅ヶ丘駅との距離はこんな感じです。
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東急バス版のタテバス。
意外とありそうでなかった区間を結ぶ[等13]、途中経由地を考えると今まで別経路で設定が無かった事が不思議なぐらいである。
世田谷区役所のプレスリリースによれば、実験運行終了後、「平成28年度検証結果を基にバス事業者と本格運行に向けた協議」とあるが、根付き始めている路線、休止期間を設けずに、土休日も運行を視野に入れた本格運行を期待したいところである。
※東急バス・東急トランセでは乗務員を「サービスクルー」「サービスプロバイダー」と称していますが、本文中では乗務員に統一させていただきました。
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